はじめに~歴史ある投資顧問会社、プラザ投資顧問室
株式会社プラザ投資顧問室は、1981年に設立された歴史ある投資顧問会社です。
代表取締役を務めるのは、テクニカルアナリストの伊東秀広氏です。
伊東氏は慶応義塾大学経済学部を卒業後、大和証券を経て同社を設立しました。
同社は、投資顧問会社法成立に伴い株式助言業者として大蔵省に登録、現在は関東財務局長(金商)第1021号として登録されています。
主な事業所は神奈川県横浜市にあります。
「売りのプラザ」と呼ばれる所以~暴落予測と実績
プラザ投資顧問室は創業以来、「売りのプラザ」として業界で親しまれてきたという歴史があります。
その異名の通り、代表の伊東秀広氏は株式市場の急落や暴落を見抜くことに強みを持っているという評価を受けています。
伊東氏は過去に、1998年のロシア金融危機や1991年の世界同時多発テロ時期の暴落を予測的中させた実績があるとされています。
1998年のロシア危機到来によるNYダウ2000ドル暴落をテレビ番組(テレビ東京「マーケットライブ」、テレビ東京「WBS」)で事前予告し的中させたことは、マーケットの注目を浴びるきっかけとなりました。
また、2004年出版の著書『株の「天底」を見破った!』の書評では、95年以降の香港危機、ロシア危機、同時テロによる株式市場の急落を常に事前予告し、ことごとく的中させてきたと紹介されています。
著書には「暴落は忘れたころにやってくる。転ばぬ先の杖になれば」という伊東氏の思いが込められているとのことです。
これらの実績やスタンスから、「売りのプラザ」という異名が生まれたと考えられます。このことから空売りの投資助言がかなりの比率を占めることが予想されそうです。
相場を見る哲学:方向性と「位置」の重視
伊東秀広氏の分析哲学の根幹にあるのは、「いまが上げ相場なのか、下げ相場なのか」という「相場の方向」を知ることが何より大切だという考え方です。
そして次に重要なのが、「日々の相場で自分の置かれている位置」を的確に掴むことだとしています。
伊東氏は、これらの相場の方向や位置を把握するには波動理論をマスターするのが近道だと提唱しています。
プラザ投資顧問室の分析手法~3つの理論と独自の工夫
プラザ投資顧問室では、主に以下の3つの理論を分析手法として用いています。
- エリオット波動理論:R.N.エリオットによって確立された理論で、フィボナッチ係数を基礎としています。
株式波動の基本は、方向波である5波動の上昇・下落と、修正波である3波動の上昇・下落の組み合わせで構成されていると考えます。
上げ相場では方向波が5波動、修正波が3波動となり、下げ相場ではその逆(下げの方向波が5波動)となります。
エリオット波動理論には波動の取り方が各自によって異なるという欠点がありますが、同社は月足・週足を重視することで、そのカウンティングを一通りにする工夫をしているとのことです。
これは同社が世界で初めて取り入れた手法だとされています。 - フラクタル理論:日本語では「自己相似」と訳されます。
「Fracture」と「Fraction」の合成語と言われており、親亀と子亀の関係のように、波の形が縮小・拡大されて現れる現象を指します。
エリオット波動理論だけでは説明がつかない相場の波形を、フラクタル理論を用いることで説明できるとしています。
過去の波形が縮小されて繰り返されるという考え方に基づき、相場の下値予測などを行う例が示されています。 - メリマンサイクル理論:レイモンド・メリマンによって発表されたサイクル理論で、サイクルボトムからサイクルボトムまでをサイクルと定義します。
サイクルにはズレ(オーブ)を認め、より大きなサイクルは小さなサイクルに影響を及ぼすと考えます。日経平均には長い順に8年サイクル、51ヶ月サイクル、18.3ヶ月サイクルが認められるとしています。
なお、同社は当初、独自の移動平均線を看板としていましたが、外人投資家の売買関与比率の高まりに伴い、旧来の手法に欧米の為替先物理論を加え、現在は上記の3理論を主に使っているとのことです。
独自理論「伊東流エリオットカウント」と「ヒロン・カウント」
伊東秀広氏は、長年の研究から「伊東流エリオットカウント」という独自の分析手法を編み出しました。これは、エリオット波動理論における波動の見分け方の難しさを克服するために開発されたものです。
伊東流エリオットカウントの核となるのは、月足と週足の二段上げ・二段下げで波動を明確に分かつというルールです。
伊東氏の発見した真理は、「一つの波動は逆向き二段上げや二段下げが3度出ないとチェンジしない」というシンプルさにあるとしています。
大局を見るためには年足・月足・週足で判断し、日々の先物売買には日足・時間足を使って転換点を見破るとしています。
この理論は理論的に大変クリアで理解しやすい手法だと説明されています。
また、月足の引け値を重視し、月足の二段下げを波動転換条件とする手法は、「ヒロン・カウント(Hiron=Count)」という通称で呼ばれています。
同社はこの「ヒロン・カウント」を用いることで、明確な波動転換を説明できるとしています。
伊東氏はこの独自理論から見えてくる「相場の急変ポイントを事前に示すブレイクポイント」を利用者に提供しています。
提供されるサービスと対象顧客
プラザ投資顧問室が提供する情報は、主にFX(ドル、ユーロ、豪)、日経平均先物、日経225に関するものです。
これらの分析データは、FX、先物、オプションの売買を扱う顧客だけでなく、多くの証券アナリストも利用しているとのことです。
同社はどちらかといえば、大局観を売る会社であり、特に先物やオプションの売買に有効な情報を提供することを得意としています。
個別株については、東証1部の大商い株を中心に行っていると述べられています。
情報提供の方法は多岐にわたります。
- メルマガ:お客様のニーズに合わせて3種類が用意されています。
- 伊東流エリオットカウント:日経平均先物・ミニ先物専門、平日配信。「相場の急変ポイントを事前に示すブレイクポイント」を提供。
- 伊東秀広・厳選注目株:個別株専門、日曜配信。原油・金・債券・NY・Nasのひと口コメントも掲載。
- リアル・エリオットカウント:FX外貨投資、携帯向けリアルタイム配信。「買い・売り・見送り」指示を中心としたサービス。
- 有料情報(音声データ):「テレフォンサービス」の音声データ(mp3)をメール添付で提供。
解説時間は約5分で、急騰急落株、明日の日経平均、注目3銘柄などを解説しています。平日は1日2回または3回、土曜日は週足分析や先物見通しなどが提供されます。 - 会員サービス:電話会員、普通会員、成功報酬会員の3種類があります。
会員には週2回(月曜と金曜)のレポートが配信され、売買指示や銘柄に関する指導を受けることができます。
電話会員や成功報酬会員は電話での売買指示、普通会員は頻繁でなければ質問対応も可能です。目標上昇率は倍から3倍、投資スタンスは中長期(先物は短期)を対象としています。
推奨銘柄は半年に4~5銘柄程度、空売りも全体の半分程度推奨することがあるようです。推奨時にはストップロス(SLO)があらかじめ設定されています。 - 罫線教室:伊東氏が罫線について解説した限定動画(約15分)で、具体的銘柄やパワーポイント資料が付随します。リピーター割引もあるとのことです。
無料サービスとしては、公式サイト内で過去のメルマガの一部が紹介されています。また、公式サイトのニュースやセミナー情報、Youtubeチャンネルなどで情報発信を行っているようです。
書籍やセミナーでの情報発信
伊東秀広氏は、分析手法や相場観に関する書籍も複数出版しています。
主な著書として、『株の「天底」を見破った!』(ビジネス社、2004年)、『世界同時 超暴落』(フォレスト出版、2016年)などが挙げられます。
また、伊東氏は年に数回、セミナーや講演会を開催しています。
公式サイトのセミナー情報ページで直近の予定を確認することができます。
これらのセミナーに参加することで、伊東氏の考え方をより深く知ることができるでしょう。
伊東氏は令和2年11月3日に「東久邇宮国際文化褒賞」を受賞しています。
これは、日本と関係するあらゆる分野で世のため人のために貢献した方に与えられる褒賞とされています。
プラザ投資顧問室の評判と口コミ
当サイトでは、プラザ投資顧問室の総合評価を5点満点中3.0点としました。
評価できる点としては
- 代表者の伊東氏が過去に暴落予測を的中させた実績があること
- エリオット波動理論など独自の分析手法を用いていること
- 1981年設立の歴史ある会社であること
- 伊東氏が東久邇宮国際文化褒賞を受賞していること
一方で、評価できない点としては
- 無料で活用できるコンテンツが少なく、推奨銘柄実績なども公開されていないため、実力が判断しづらい
- 契約締結前交付書面をサイト上で閲覧できないこと(資料請求が必要か不明)

利用者からの口コミとしては、設立から相当長く、乱立する情報屋より良いという肯定的な意見がある一方で、「う~んというような印象」という意見や、過去に大負けした経験から投資顧問に頼りすぎないことの重要性を実感したという意見も見られます。
伊東氏の著書レビューにおいても、数字の間違いや、基本「逆張り手法」による懸念、希望的観測ではないかという厳しい意見もあれば、必ず歴史は繰り返すので駄目なことはないという肯定的な意見もあります。
これらの評判や口コミからは、長年の経験や独自の理論に裏打ちされた実績は評価されるものの、無料情報が少ないために、実際に利用するまでその実力を測ることが難しいという側面も見て取れます。
まとめ
プラザ投資顧問室は、代表の伊東秀広氏が確立したエリオット波動理論、フラクタル理論、メリマンサイクル理論という3つの分析手法、特に独自の「伊東流エリオットカウント」を核に、FXや日経平均先物などの情報を提供している投資顧問会社です。
「売りのプラザ」という異名が示す通り、過去の暴落予測実績を持つ伊東氏の経験と哲学に基づき、相場の方向性や「位置」を重視した分析が特徴と言えるでしょう。提供される有料サービスは多様で、メルマガ、音声情報、会員サービスなど、顧客のニーズや投資スタイルに合わせて選ぶことができます。
長年の歴史と独自の分析手法は評価される点ですが、無料での情報や実績公開は限定的なため、サービスの利用を検討する際には、公式サイトで最新情報を確認したり、資料請求を行ったりすることが推奨されます。
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