投資顧問業者として投資助言・代理業を営む為には、金融庁から登録認可を受ける必要があります。

登録なしで投資助言・代理業を営み、その対価として金銭を得ている業者のことを無登録業者といいます。
無登録業者が行っている行為は違法行為であり、発覚した場合「5年以下の懲役若しくは500万円以下の罰金」となります。
近年無登録業者の手口は非常に巧妙化しており、素人が見極めることはかなり困難だといえます。
この記事では具体的な例を出しながら、無登録業者がどのようにして個人投資家を欺いているのかを暴いていきたいと思います。
投資詐欺に騙されたくない。
自分は絶対引っかからないと思っている人も一読の価値のある記事になっています。
無登録業者は事業内容を偽っている
無登録業者はウェブサイトで事業内容を偽っています。
実例を用いて解説しましょう。
かつてID(アイディー)という無登録業者が存在しました。
画像:会員登録前のIDのウェブサイト
IDはウェブサイト上で、事業内容を「アナリストレポートの提供」としていました。
レポートの提供自体は、金商登録なしで営むことができますし、一見何ら問題はなさそうに思えます。
画像:会員登録後のIDのウェブサイト
しかしいざサービスの提供を受けようと、会員登録をするとその事業内容が一変!
有料で銘柄情報を販売するという投資助言業にすり替わってしまいます。
登録して会員サイトにアクセスするまでは、投資助言業務を営んでいることが分からず、巧妙に事業内容を隠蔽していたということになります。
IDを運営していたスコールには、2019年3月に金融庁から無登録で金融商品取引業を行う者として警告が発せられ、現在ではサイトが閉鎖されています。
事業内容を偽ってユーザーを欺いているのは、閉鎖済のサイトだけじゃありません。
同じことが現在運営中の無登録業者のウェブサイトでも行われています。
その中には、あなたがYahooファイナンスはじめ多くのウェブサイトの広告で日常的に見かけるものも含まれているのです。
例えば豊-YUTAKA-という無登録業者。
画像:豊の会員登録前のウェブサイト
こちらも会員登録前には、企業レポートやセミナーを行う会社のように事業内容を偽装。
しかし会員登録すると、企業内容が一変し、優良銘柄販売画面が現れるのはIDと全く同様の手口です。
画像:豊会員登録後のウェブサイト
豊-YUTAKA-が今後どのような運命をたどるのかは言わずもがなです。

豊は実際にこの記事公開後、金融庁から警告を受けサイトは閉鎖されました。
IDのように当局から警告を受け、閉鎖せざるを得なくなると、別のドメインで新しい無登録業者のウェブサイトを立ち上げる。
そのサイトがまた閉鎖に追い込まれると、また別のドメインで・・ということを延々繰り返しているのですね。要するに。
無登録業者の集客方法
無登録業者は主に2つの方法で集客しているように思えます。
ひとつはネット広告、もうひとつはレビューサイトです。
それぞれ解説していきましょう。
Yahoo広告、Google広告などで頻出する無登録業者の広告
Yahoo広告、Google広告などネット広告には無登録業者の広告を良く目にします。
例えば上の画像でyahooに表示されている広告は「四季」という無登録業者の広告です。
「四季」の運営会社である株式会社デュークには、平成30年12月26日に「無登録で金融商品取引業等を行う者について」関東財務局から警告が発せられています。
こちらはGoogleで「株マイスター」と検索した際に表示される検索広告。
Factorという名前の無登録業者の広告が表示されています。
しかも「マイスターの株価は?」というタイトルで、さも株マイスターのウェブサイトであるかのように偽っています。
いかにも悪徳業者が考え付きそうなことです。
ネット広告の審査はTVやラジオなどのメディアと比較すると緩いと言われています。
GoogleやYahooですら、この有様ですから、ほかは広告に関しては言わずもがな。
大手サイトの広告だからからといって安心だという考えを持っていたとするならば、その考えは改めた方が良いと思います。
無登録業者をステマするレビューサイト
投資顧問業界のレビューサイトが一部の悪質業者によって荒らされているということは、これまで当サイトで再三警告を発してきました。
無登録業者は自演のレビューサイトを作成し、無登録業者のみを高評価。
ヤラセ(と思われる)高評価レビューを大量投稿することで、あたかも無登録業者が優良業者であるかのように見せかけているのです。
一般の個人投資家は、投資助言業を営むのに金商登録が必要であるということを知りません。
ゆえにこの手のレビューサイトを目にしたユーザーは「これだけ良い口コミが寄せられているなら、きっと優秀な投資顧問に違いない」と思い込んで、利用してしまうかもしれません。
しかも同じレビューサイト内で同業他社を誹謗中傷するようなコンテンツを作っているのですから、悪質極まりありません。
当サイトの「投資顧問口コミサイトについて」を読んで、悪質なレビューサイトの情報は決して信用しないようにしましょう。
無登録業者が個人投資家を騙す手口まとめ
無登録業者が個人投資家を騙す手口をおさらいしましょう。
- 無登録業者は事業内容を偽ったウェブサイトを作成
- 会員登録した後にウェブサイトに記されている事業内容が大きく変わった場合(有料銘柄の販売など)は特に要注意。
- 無登録業者は自演のステマレビューサイトを多数作成。

最近ではFactorや豊など、無料電子ブックの無料ダウンロードを釣り餌に会員登録をさせようとするサイトが多いので気をつけましょう。
無登録業者に騙されないために
- Yahoo広告など大手メディアに表示されている業者だからと言って信用してはいけない。
- 投資顧問会社を利用する際には、金商番号の確認は必須。
- 関東財務局のウェブサイト「無登録で金融商品取引業等を行っている者に対する警告」をチェック。
- 金融庁の免許・許可・登録等を受けている業者一覧に名前があるかチェックする。

関東財務局のウェブサイトに掲載されていない者であっても、無登録営業に該当する行為を行っていることがあり得ますのでご注意ください。
当サイトの無登録業者の一覧にも発見次第、反映するようにしていますのでご参照ください。
コメント
拝読して良かった!…危うく騙される寸前でした。ありがとうございました。