日本投資顧問業協会という名前の一般社団法人があります。
一般的な知名度はほぼゼロだと思います。
というかそもそも投資顧問という言葉自体、投資家にすら浸透していません。
しかしこのサイトを見ている人は、少なからず投資顧問に関心がある人だと思います。
この記事では投資顧問業協会とは、どんな役割を担っているのか?加入してない投資顧問は利用しない方が良いのか?などを解説していきたいと思います。
投資顧問を利用しようと思っている人は、知っておいて損はない知識だと思います。
日本投資顧問業協会を解説する前に、まずは投資顧問について知っておきましょう。
知っているよという人は、記事リンクをクリックせずにこの記事を読み進めていってください。
日本投資顧問業協会って何?
日本投資顧問業協会は、昭和62年10月大蔵大臣の許可を得て設立され、金融商品取引法第78条に規定される認定金融商品取引業協会として位置づけられる協会です。
日本投資顧問業協会の目的
どんな目的で設立されたの?
会員の行う投資運用業および投資助言・代理業の公正かつ円滑な運営を確保することにより投資者保護を図るとともに、投資運用業および投資助言・代理業の健全な発展に資することを目的としています。
日本投資顧問業協会の事業内容
具体的にはどんなことをやってるの?
協会の事業内容は大きく分けて2つに分類されます
①会員の業務の公正性、適正性を確保し、投資者の保護を図るための取組み
- 自主規制ルールをはじめとする必要な協会規則の制定、改廃
- 会員の業務の多様性に対応したコンプライアンス研修の実施
- 自主規制ルールの遵守状況等調査票によるフォローアップの実施
- 臨店による会員監査
- 会員に対する個別指導、処分
- 苦情相談・あっせんの業務~特定非営利活動法人証券・金融商品あっせん相談センター(FINMAC)への業務委託
- 「認定個人情報保護団体」として個人情報の保護に関する各種の取組み
これらは、投資顧問会社が健全な運営をする為の業務となります
健全な運営をするということで、投資家が保護されることになるんだね
②投資運用業および投資助言・代理業の健全な発展・拡充に関する取組み
- 金融商品取引法等に係る金融庁その他関係機関に対する意見提出、折衝等
- 「日本版スチュワードシップ・コード」に係る各種の取組み
- コーポレート・ガバナンスの向上に向けた研究会の開催、情報発信等の取組み
- 投資教育の一環として大学における寄附講座の開設
- 広報誌等の刊行・ホームページ等を通じた広報活動
- 会員の特性に応じた各種の業務研修の実施
- 統計資料の公表、業務参考資料の作成
- 内外の関係諸団体との連携・情報交換等
こちらは投資顧問業界全体に対してのPR活動などがメインとなります
簡単に言えば投資顧問業協会は、業界の監視と広報を行っているといっていいのかもしれないね。
日本投資顧問業協会はどのような会員で構成されてるの?
投資顧問業協会の会員は、投資一任業務または投資助言・代理業を行う業者で構成されています。
入会の申し込みを行い、理事会の承認を受けた業者は、会員となることができます。
なお2019年3月末現在の会員数は、777社となっています。
金融商品取引業者登録一覧を参考にすると、投資助言・代理業の登録業者数は988社(投資運用業は385社)です。(2019年12月現在)
重複して登録のある業者があることを加味しても、投資顧問業協会に加入している業者の方が多いということがいえます。
投資顧問業者にとっても、投資家などからの信頼を得られるほか、協会が行う苦情の解決及びあっせんにより、 苦情処理措置・紛争解決措置を講じることが可能となったり、業務運営に役立つ種々の統計や資料を得ることができるなどメリットも多いです。
このことが加入業者が多い理由にもなっています。
協会員は、入会金と会費を支払う必要があります。
日本投資顧問業協会に入会していない業者は利用しない方がいいの?
では投資顧問業協会に入会していない業者は、違法業者なのでしょうか?
結論から言えば、違法ではありません。
投資一任業務または投資助言・代理業を営んでいたとしても、投資顧問業協会に加入しなければいけないという決まりがある訳ではないからです。
しかし投資顧問業協会に加入している業者は、協会規則を遵守する必要があります。
協会規則には実に様々なものがあり、資産の運用管理の基準、広告・勧誘等に関する自主規制基準、個人情報保護に関する取り扱いなど多くの規則が定められています。
規則に反する行為を行った場合など、会長が著しく不適当な行為があると認めた場合には、会員権の停止や除名処分になる可能性もあります。
ゆえに非会員よりは会員の方が、より健全な経営を行っていると期待できます。
日本投資顧問業協会に加入している業者はどうやって調べればいいの?
それでは投資顧問業協会に加入している業者はどうやって調べればよいのでしょうか?
投資顧問会社(または会社が運営しているサービスサイト)のウェブサイトに明記しているケースが大半です。
一例をあげると「新生ジャパン投資」の場合は、上の図のように明記してあります。
または日本投資顧問業協会のウェブサイト内の「会員名一覧」でも確認することができます。
投資顧問業協会に関連して調べられていること
投資顧問業協会 要覧
日本投資顧問業協会は、投資一任業、投資一任業(不動産関連特定投資運用業)およびファンドの自己運用業を行う会員の業務内容等の開示を目的として、毎年9月末に「投資運用会社要覧」を発行しています。
希望者には有料(一部2,000円)で頒布しているとのことですが、日本投資顧問業協会のウェブサイトでも閲覧が可能となっています。
投資顧問業協会 統計
日本投資顧問業協会のウェブサイトでは、投資運用業者の契約状況、投資運用業に係る契約資産の投資対象別運用状況/規模別分布状況/国・地域別運用状況、デリバティブ取引の状況、協会会員数の推移についてとりまとめています。
また、契約資産状況(四半期表)の最新版も閲覧できます。
投資顧問業協会 規則
日本投資顧問業協会には、協会規則があり、会員は規則を遵守する必要があります。
規則は主に下記のようなものがあります。
- 定款関係
- 協会の組織・運営等に関する規則等
- 会員の業務等に関する規則等
- 開示・統計等に関する規則等
より詳しい内容を知りたい場合は、日本投資顧問業協会のウェブサイト内の「協会規則」をチェックしてみてください。
まとめ
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日本投資顧問業協会は、投資顧問業の健全な発展を目的として設立された社団法人
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加入は強制ではないが、加入業者はより健全な運営をしていることが期待できる
投資顧問会社選びの基準のひとつとして、投資顧問業協会への加入の有無があります。
しかしその一点のみで業者選びをすることはお薦めできません。
過去には協会員の投資顧問会社で、行政処分を受けた業者も存在します。
投資顧問会社の選び方は、別の記事で詳しく解説していますので、ぜひそちらを参考にしてみてください。
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