経常収支とは
一国の国際収支を評価する基準のひとつ
貿易収支(モノの輸入と輸出の差額から算出)、サービス収支(サービス取引を表す)、所得収支(対外直接投資や証券投資の収益)、経常移転収支(政府開発援助(ODA)のうちの医薬品など現物援助を表す)の4つから構成される
日本の経常収支の推移
1980年代に経常収支は急拡大し、86年度には 940億ドル (名目 GNPの 4.4%) に達した
その後円高の影響もあって黒字は急減したが,91年度以降再び黒字が拡大
2011年度以降 貿易収支の赤字拡大を背景に再び減少傾向が続く
2016年12月の経常黒字額は1兆1,122億円(速報値)で、30カ月連続の黒字となる、またこの年の年間黒字額は20兆6,496億円(速報値)と、過去2番目の規模となった
また近年の傾向としては、かつての経常黒字の牽引役であった「モノの輸出」に代わり「投資や観光・ロイヤリティ収入」が中心となっており、日本が貿易立国から投資立国へと転換しているのが鮮明となっています
経常収支はどこで見れるの?
財務省のウェブサイトで閲覧が可能となってます
経常収支が日本経済に与える影響
経常収支が赤字であるということは、収入よりも支出が多いことを意味します
赤字額を埋めるために、何らかの対策が講じられます
ひとつは外貨準備の切り崩し
国家の貯金でもある外貨準備を引き出して外国への支払いに充てるということです
あるいは国債などを発行して資金を取り入れる方法です
いずれの場合も貯金を減らすまたは借金を増やすということになりますので、経常収支が経済や景気に及ぼす影響は大きいということが理解できるでしょう
しかし誤解して欲しくないのは、必ずしも経常収支の赤字が悪いとも言えないということです
例えば、日本の企業が米国で工場を建設して投資収益を得ると、米国の経常赤字につながります
これは米国が魅力のある投資先であることの裏返しとも言えます。また米国には新たな雇用が生まれることになります。
経常収支に関するニュース
- 5月の経常黒字1.8兆円 資源価格高騰が一服で2.4倍(共同通信 2023年7月10日)
- 全産業の経常利益、4.3%増 1~3月期で過去最大(共同通信 2023年6月1日)
- 経常黒字54%減、9.2兆円 22年度、8年ぶり低水準(共同通信 2023年5月11日)
- 2月経常黒字2.3%減 円安で輸入膨らむ(共同通信 2023年4月10日)
- 22年10~12月期の経常利益2.8%減(共同通信 2023年3月2日)
- 22年経常黒字47%減11兆円 8年ぶり低水準(共同通信 2023年2月8日)
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- 10月の経常赤字、641億円 9カ月ぶり、輸入が大幅増(共同通信 2022年12月8日)
- 8月の経常黒字96.1%減(共同通信 2022年10月11日)
- 22年上半期経常黒字、63%減 3兆円台、8年ぶり低水準(共同通信 2022年8月8日)
- 5月経常黒字92.8%減(共同通信 2022年7月8日)
- 4月経常黒字5011億円 財務省(時事通信 2022年6月8日)
- 21年度の経常黒字22.3%減 原油高響き貿易大幅赤字(共同通信 2022年5月12日)
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