鉱工業生産指数とは
日本の鉱業・製造業の活動状況を総合的に表す指標(基準年を100.0として指数化したもの)のこと
経済産業省が実施している生産動態統計調査を中心に他の統計調査の結果を利用して作成される二次統計となっています
付加価値額ベースと、生産額ベースの2種類があるが、広く利用されるのは前者の方である
鉱工業生産指数の目的
鉱工業製品を生産する国内の事業所における生産、出荷、在庫に係る諸活動、製造工業の設備の稼働状況、各種設備の生産能力の動向の把握を行うこと
鉱工業生産指数の対象品目
鉄鋼、一般機械、電気機器、精密機器、輸送用機器、繊維工業品、紙・パルプ製品、食料品、たばこ、医薬品など数多くの品目が対象となっている
西暦末尾の0、5年ごとにウェイトの更新、品目の入替え、指数の基準となる年次の更新を行っている
鉱工業指数の系列
鉱工業指数には、「鉱工業生産指数」のほか、「鉱工業生産者出荷指数」、「生産者製品在庫率指数」など8種類があります。
- 生産指数:
鉱工業生産活動の全体的な水準の推移を示します - 出荷指数:
生産活動によって産出された製品の出荷動向を総合的に表すことにより、鉱工業製品に対する需要動向を観察します - 在庫指数:
生産活動によって産出された製品が出荷されずに生産者の段階に残っている在庫の動きを示します - 在庫率指数:
在庫とその出荷の比率の推移をみることにより、生産活動により産出された製品の需給状況を示します - 生産能力指数:
製造工業の生産能力を、操業日数や設備、労働力に一定の基準を設け、これらの条件が標準的な状態で生産可能な最大生産量を能力として定義し、これを指数化したものです - 稼働率指数:
製造工業の設備の稼働状況を表すために、生産量と生産能力の比から求めた指数です
鉱工業指数の分類
指数の分類
- 総合指数:
全ての品目指数をまとめた指数 - 業種指数:
品目指数を業種ごとにまとめた指数(輸送機械工業、情報通信機械工業など) - 品目指数:
個々の品目ごとに作成した指数(普通自動車、大型バス、携帯電話など)
業種の分類
- 鉄鋼業
- 非鉄金属工業
- 金属製品工業
- はん用・生産用・業務用機械工業
- 電子部品・デバイス工業
- 電気機械工業
- 情報通信機械工業
- 輸送機械工業 など
財別分類
- 資本財:
設備投資に向けられる製品(ショベル掘削機械・印刷機械など) - 建設材:
建設投資に向けられる製品(鉄骨・セメントなど) - 耐久消費財:
購入され、耐用年数が長い製品(テレビ・携帯電話など) - 非耐久消費財:
購入され、耐用年数が短い製品(食料品・衣料品など) - 生産財:
原材料として投入される製品(乗用車用タイヤ、石炭など)
鉱工業生産指数はどこで見れるの?
経済産業省のウェブサイトで閲覧が可能です
調査月の翌月下旬に速報が、翌々月中旬に確報がそれぞれ発表されます
鉱工業生産指数はどのように活用されてる?
GNPに占める鉱工業の割合は、関連産業も含めると4割を占めるといわれ、サービス業よりも景気変動を反映しやすいとされています
速報性もあることから、月例経済報告の主要経済指標の一つとしても取り入れられています
鉱工業生産指数の株価や市場への影響
鉱工業生産指数は物づくりの指標ゆえに製造業関連全般の株価に影響を及ぼすことが予想されます
鉱工業製品の製造企業や輸送機械関連の銘柄は、特に注目しておく必要がありそうです。
鉱工業生産指数に関するニュース
- 鉱工業生産、4.6%低下 1月(時事通信 2023年2月28日)
- 鉱工業生産、0.1%低下 昨年12月(時事通信 2023年1月31日)
- 11月鉱工業生産、0.1%低下(時事通信 2022年12月28日)
- 9月の鉱工業生産は1.6%低下(共同通信 2022年10月31日)
- 7月の鉱工業生産、1.0%上昇 2カ月連続プラス(共同通信 2022年8月31日)
- 6月の鉱工業生産、8.9%上昇 3カ月ぶりプラス(共同通信 2022年7月29日)
- 5月の鉱工業生産、7.2%低下 低下は2カ月連続(共同通信 2022年6月30日)
- 4月鉱工業生産、1.3%低下 基調判断「足踏み」に下方修正―経産省(時事通信 2022年5月31日)
- 3月鉱工業生産は0.3%上昇(共同通信 2022年4月28日)
- 2月の鉱工業生産、0.1%上昇 3カ月ぶりプラス(共同通信 2022年3月31日)
- 1月鉱工業生産、1.3%低下(時事通信 2022年2月28日)
- 鉱工業、21年生産5.8%上昇 3年ぶりプラス(共同通信 2022年1月31日)
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